秋、11月の花と言えば菊ですが、今回は別の花をご紹介いたします。一般的には多肉植物でメセン(女仙)と呼ばれています。南アフリカ原産でハマミズナ科メセンブリアンテマム亜科に分類されています。リトープス属やコノフィツム属などです。リトは大理石、プシスは頂面というラテン語からの由来です。別名で太陽の子とも呼ばれるように、太陽の光が大好きで、晴れた日にしか開花しません。また「リビングストーン」(生ける宝石)とも呼ばれています。19世紀最大のアフリカ大陸探検を行ったスコットランドの著名な探検家(宣教師・医師)のデイヴィッド・リヴィングストンが、南アフリカの原野で気付かずに踏みつけていたのではないか思うと愉快です。ちょっとシュールな形ですが、乾燥した大地に最も適応進化した形態と言われ、動物などの食害から身を守るための一種の擬態です。原地では瓦礫混じりの荒めの砂漠にほとんど埋まっており、頂面のみ地表にあって、光を集めて光合成を行っています。成長点は根際にあるため、日本での栽培は特に湿度の高い夏期が難しいのです。秋から冬、早春が成長期で楽しめます。ちょっとマニアックですけどね。どうぞお楽しみください。

ひかり耳鼻咽喉科クリニック   村上光伸

(1)リトープス属・ 日輪玉

(1)リトープス属・ 日輪玉

 

(2)オフタルモフィルム属・ヘレイ

(2)オフタルモフィルム属・ヘレイ

 

(3)コノフィツム属・小米雛

(3)コノフィツム属・小米雛