咳止めがありません。新型コロナウイルスやインフルエンザに罹られた後に咳が続く方も多いのですが、ご希望に沿うのが難しい状況です。英国の国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Care Excellence:以下NICE)のガイドラインでは咳に対して、ハチミツが推奨されています。小児でも推奨されています。ただし1歳未満の方は乳児ボツリヌス症の危険があるため、ハチミツの使用が禁止されています。今までにハチミツの咳に対する有効成分は不明でした。ところが2023年9月に山田養蜂場と東京理科大学の研究で、ハチミツに2つの有効成分があることが世界で初めて報告されました。一つは「フラジン」であり、もう一つは新規化合物であり「メルピロール」と名付けられました。今までの論文の報告ではハチミツが5~10mlを紅茶や牛乳に溶かして飲まれています。糖尿病の方は使用の前に、主治医の先生にご相談下さい。咳止めがないときにハチミツを使用するということも検討して頂ければと思います。

                     はらこどもクリニック
                     原 拓麿